子犬をむかえたら


子犬を迎えたら何をして良いのかわからない事も多いと思います。ひとつづつ説明させていただきます。

1.混合ワクチン

感染してしまうと治療が非常に難しい様々な病気(ジステンパー、パルボなど)を一括で予防してくれます。6種や10種などがありますが、これはライフスタイルに合わせて決めます。(例えば、外に沢山行く予定の子は10種、基本室内飼いで外にはほとんど行かない予定の子は6種といった感じです。)
子犬は免疫を作るのが未熟ですので1カ月ずつ期間を開けて3回接種します。(成犬の場合は1回の接種で確実に免疫ができます。人間もインフルエンザワクチンが子供は2回、大人は1回であるのと同じイメージです。)お散歩は3回の混合ワクチンを接種し終わってからの方が安全です。

2.狂犬病ワクチン

名前の通り狂犬病という病気だけを予防するワクチンです。狂犬病は人にも感染する人獣共通感染症です、人が感染するとほぼ100%亡くなってしまいます。(犬も感染すると頭が混乱し衰弱して亡くなります。)現在、日本にはない病気ですが海外では普通に存在し年間数万人の人が命を落としています。日本は島国ですので狂犬病の侵入を水際で食い止められていますが、いつ入ってくるかわかりません、そこでいつ入ってきても大丈夫なようにしっかりワクチンを接種しておくことが大切なのです。
狂犬病ワクチンは通常、混合ワクチンを3回接種した1か月後に接種します。お散歩は狂犬病ワクチンを接種する前から行っていただいて大丈夫です。(法律的には子犬をむかえてから30日以内に接種とありますが、これは日本にまだ狂犬病が存在した時代にできた古い法律で現在のライフスタイルにはそぐわず暗黙の了解で守られていません、むしろまだまだ巷に存在する他の怖い病気を防ぐ目的で混合ワクチンを優先します。)

3.フィラリア予防

犬の感染症でもっとも恐ろしい病気の一つです。
これはフィラリアという寄生虫が心臓の中に寄生する病気です。フィラリアは一部の蚊の体内にいます、蚊の中にいる時は目に見えないくらい小さいですが、犬の中に入ると成長して30cm位の大きさになります。30cmの寄生虫が心臓の中で血液の流れを乱し循環不全を起こすことで犬の状態が悪くなります。
治療法はありますが非常にリスクが高く、フィラリアを駆除した後も心臓には後遺症が残り心不全になる事が多いです。ですので、治療ではなく「予防」がとても大切です。
予防は、蚊にさされて入ってしまったかもしれないフィラリアを小さい内に駆除する事です。定期的にフィラリア駆除剤を使う事で、フィラリアを大きく成長する前にやっつけてしまう事です。フィラリア駆除剤には、錠剤やおやつタイプ、注射薬などがあります、使いやすいものを選んで絶対に予防しましょう。

4.ノミマダニ予防

お散歩に行く様になると、ノミやマダニがつく場合があります。ノミは痒みの原因になります、マダニには病気をうつされる事があります。室内飼いのおうちですと、室内にノミやマダニを持ち込み今度は人が同じ目に合うかもしれません。
ノミは刺されると非常に痒いです、1週間位痒みが続きます。一旦持ち込まれると室内で繁殖してどんどん増えていきます。
マダニは恐ろしい病気を持っている場合があります。人が感染すると命に係わるような病気も持っている場合があります。例えば、SFTSという病気が話題になっています、これはもともとネズミが保有しているのですがネズミの血を吸ったマダニが次に犬に寄生して室内に持ち込まれ、その後人に寄生して人が感染します。(ネズミや犬では人よりも発症しにくいと考えられています。人のインフルエンザが犬では発症しないのと同じイメージです。注:犬でも発症すると命に係わる位に具合が悪くなります。)
よく効く駆除剤がありますのでそれらを使って家の中に持ち込ませない様にしましょう。(市販の駆除剤は一般的に効きが悪いです。)

5.糞便検査

お腹の中に寄生虫がいないかをチェックします。回虫を中心とした寄生虫は感染すると、子犬の成長が遅かったり嘔吐や下痢などの消化器症状が出る事があります。人にもうつりますのでこわいです。(人にうつると寄生虫が目に入って失明する場合もあるようです。)
親犬からうつっている場合もありますので、子犬を迎えたら1回は検査をしておいた方が安心です。最近はペットショップで検査済である事も多いので確認をしておきましょう。
感染が発覚した場合は駆除剤を使って駆除します。駆除剤を使った後に再度糞便検査をして再確認します。

6.避妊・去勢手術

病気の予防のために絶対に行った方が良いです。メスは子宮・卵巣や乳腺の病気の予防に、オスは精巣や前立腺の病気の予防になります。(特にメスは避妊手術をしていない子の3匹中1匹が病気になる印象です。)
病気になってから手術するという選択肢もありますが、その時はすでに高齢になっており麻酔のリスクが高くなります、費用も高額になります。
避妊・去勢手術は生後5~6か月からできます。基本的には日帰りで行う事ができます。手術して10~14日後に再度来院頂き抜糸をします、それまでは自宅で見て頂いて大丈夫です。

以上が主な事です。沢山あってややこしいと思いますが、病院に来て頂ければひとつづつスケジュール立てて一緒に行っていきますのでご安心ください。


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